マンション売却が終わった後も、買主から連絡があり、
「給湯器からお湯が出ないから、修理代を出せ!」
「上の住人がうるさくて眠れない、こんなの知らなかった契約を無効にしろ!」
など、せっかくマンション売却が終わった後に、こんなトラブルになったら大変です。だからマンション売却を考えているのなら、こういったトラブルの可能性は無視はできません。
でも安心してください、本日紹介するトラブル防止策を心がければ、売却後にトラブルにあうことはありません。
本日はマンション売却の研究家の筆者がよくあるマンション売却のトラブルと、その防止策を解説いたします。
マンション売却後にも瑕疵担保責任が売主にはあります。
マンションを売却して、引き渡しも終わっても安心できません。なぜなら消費者保護の観点から、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」というものがあるからです。
瑕疵担保責任とはカンタンに説明すると、マンションを売却したあとでも、買主が事前に通知されていない内容で、本来マンションになくてはならない機能や、買主が当然知ってなくてはいけない隠れた不備がある場合は、売買契約後であっても売主に請求できる権利のことです。
ですから、マンション売却後であっても、売主は売ったマンションについて重大な瑕疵があれば、責任を免れることはできません。
瑕疵担保責任は、通常売買契約書によって期間が制限されることがほとんどで、2カ月から半年くらいに、期間が設定されていることがほとんどですが、瑕疵が悪質な場合は、この期間を超えても請求することは可能です。
つまり、売主はマンションの状態について、事前に悪いところは全て、買主に伝えなくてはいけないのです。
瑕疵担保責任については、こちらの記事で詳しく解説しております → マンション売却時の瑕疵担保責任とは?
買主からのクレームやトラブル例
①給湯器からお湯がでなくなった!修理代を出してくれ!」と言われた
→ マンション売却後のトラブルで一番多いのは、設備に関するトラブルです。この例のように、1年以内であれば、買主もまだ住み始めて新しい住まいに慣れていなく、そんな中に給湯器からお湯がでなくなれば、「だまされた!」と思ってしまいます。
ここで重要なのは、売買契約書の瑕疵担保責任の期間設定です。期間内であれば、修理代の支払に応じなくてはいけませんが、期間外であれば応じる必要はありませんので、仲介した不動産業者と協議して、契約書を条項をもとに払わない旨を伝えてもらいましょう。
②「ペット飼育OKと聞いていたのに、NGだった!」
→ これは買主にとっては大変ショックでしょう。おそらく売主がいない場所で、仲介の不動産業者が「OKです!」とこたえてしまったケースです。売主も不意にこんなことになったのですから、この場合は仲介業者に責任をとらせます。
現実的にはマンションの管理会社との交渉で、飼育許可をもらうのが落としどころになります。あなたは毅然として仲介業者を責任を追及しましょう。
③「眺望がいいマンションだから買ったのに、隣にマンションが建つ!契約無効にしろ!」
→ もし、仲介業者が「眺望がいいマンション」という点を強調して販売した場合は、過去に裁判で、売主側の責任が認められた判例があります。まして「隣の空き地は国有地ですから、高い建物は立たないです!」など言い切った場合は問題になります。
ですから、「隣の空き地にマンションが建つのですか?」と聞かれれば「国有地と聞いていますが、詳細はわかりません」と答えていれば問題はなかったでしょう。
④人が死んでいたなんて、知らなかった!怖くて住めない!
→ 自殺、殺人事件、孤独死については、売主は事前に買主に告知しなくてはいけませんが、人は誰でも死にます。ですから住んでいた老人が、孤独死した場合は「自殺や殺人ではない、自然死だから問題ない」と解釈して買主に伝えない人もいます。
これらは心理的瑕疵といわれます。もし買主が瑕疵担保責任を追及すれば、裁判所の判断にが委ねられます。筆者としては、「父が一人で住んでいたのですが、昨年なくなったので、マンションを売ることにしました」と言えば問題が発生しなかったと思います。
⑤隣の人の騒音がうるさい!こんなの聞いていないぞ!
→ このケースは売主に瑕疵担保責任が問われることはありませんが、買主にとってみれば大変なストレスでしょう。こんなことがないように事前に伝えておきましょう。ほかの不動産ブログには「余計なことは言わなければOK」など買いていますが、筆者は嘘はダメだと思います。
結論を言えば、売主の責任になる可能性は少ないのですが、裁判になれば日数や費用がとられますので、もしマンション売却するときに「私は気になりませんが、隣がうるさく感じることもありますよ」と伝えておけばよいでしょう。
不動産業者とのトラブル
①仲介業者を変えようとしたら、「使った広告費を払ってください!」と言われた
→ 不動産業者から広告費を売主さんに請求することは、宅建業法に違反していますので、払う必要はありません。注意点は、もしお金を払ってしまえば、「あなたが広告をお金を払ってする指示を業者にした」といったことになりかねませんので、その場合は宅建業法に触れません。
つまり、こんなこという悪質な不動産業者は、広告費は払わずにすぐに見切りをつけましょう。しつこい場合は、「宅建業法によれば、売主は広告費を払う必要はありませんが?」と伝えましょう。
②査定額が高かったから専任媒介契約をしたのに、本当はそんなに高額な値段でマンションが売れないじゃないか!わたしと仲介契約結ぶための詐欺だ!
→ 査定額は不動産業者が独自の鑑定法による査定ですから、マンションの売却金額の目安程度のものです。査定額を高く見せて、媒介契約を結んだ後に、なかなか売れない物件の値段を下げていくように誘導する業者は多いです。
残念ですが、詐欺とはいえませんので、もしそういった業者と専任媒介契約を結んでしまった場合は、期限は三カ月と法律で決められているので、三か月待ってに解約しましょう。そして二度とそのような不動産業者を選ばないように一括査定サービスを使って複数の業者をえらびましょう。
マンション売却の7つのトラブル防止法
以上、マンション売却でよくあるトラブルを紹介しましたが、これらのトラブルを事前に想定できれば、トラブルは99%防止することができます。それではそのマンショントラブル防止法を一つひとつ紹介していきます。
①一括査定サービスで不動産業者を探す
不動産業者とトラブルになったり、買主とトラブルになるケースの多くは仲介する不動産業者が原因のことがおおいです。不動産業者は目先の仲介手数料が目的で、購入希望者にウソを言って契約させる悪質な不動産業者もいるのです。
ですから、安心できる不動産業者を一般の方が見つける場合は、無料の一括査定サービスを利用するのが一番です。なぜならもし、不動産業者が過去に不正をすれば、一括査定サービスの会員から除名されてしまうからです。
②不動産業者とは専任媒介ではなく、一般媒介契約を結ぶ
もし不動産業者と専任媒介契約を結んでしまえば、他の不動産業者と契約することができません。そうすると3ヶ月間はその業者を通すしかありません。しかし、一般媒介契約であれば、複数の不動産業者と同時に契約できますのでリスクがありません。
不動産業者は通常、売主を囲い込みたいので、一般媒介契約を嫌がりますが、遠慮せず「一般媒介契約でお願いします」と強く主張しましょう。だまっていると専任媒介契約になります。
媒介契約についてわからない方は、こちらの記事をご覧ください → 一般媒介契約と専任媒介契約なら「一般」の方が高く売れる理由
③購入希望者には事実をすべて伝える
不動産業者と媒介契約を結び、マンションの販売を開始すると、購入希望者が現れます。自分の物件を悪くアピールする必要はありませんが、
「隣の子供はまだ小さいので夜泣きもありますが、私は気にしませんよ」
「もともとは父のマンションで、昨年ここで亡くなりました。1周忌も終わり売る事を決意しました」
と、普通の会話の中で伝えていきましょう。事実といっても伝え方は自由ですから、ネガティブに伝える必要はありません。
④クレーマー体質な購入希望者には売らない
やっとみつけたマンション購入希望者であっても、将来トラブルになりそうな人には売らない方が良いです。売ったあともクレームを言ってこられては、大きな負担になります。
そういった方の見分け方は難しいですが、一つの判断基準として値引き交渉やサービスを求めてくる人は気を付けましょう。
「これ以上値引きできないとのことですが、あと5万円なら値引けますよね!」
「フローリングのこの部屋だけは、リフォームしてくれますか?」
などと粘ってくる人は、いかに自分のお金を使わないで、売主に負担させるか?という考えの方です。こういった方は、瑕疵の範囲を超えて家を売ったあたも、何かあれば売主に請求する可能性が大です。
売主「申し訳ございませんが、他の方に売る事にしました」
と言って、断りを業者に入れてもらいましょう。
⑤事前にマンションの管理規約・議事録を見せる
マンション売却してから、「ペットが飼えないなんて知らなかった!」など言うことがないように、事前にマンションの管理規約や議事録を見せましょう。
議事録も有効です。マンション内になにか問題があれば、組合内で協議され議事録に書いてありますので、事前に見せておけば瑕疵担保責任を後で問われることがないからです。
もし、何かあった場合でも、「事前にマンションの管理規約と議事録をお渡ししましたよね?見なかったのですか?」と言うことができます。
⑥売買契約書に瑕疵担保責任の期限を確認する
マンション売却の際は、ほぼ100%、瑕疵担保責任の期限を設定されています。だいたい2カ月から半年間程度が一般的です。この期間を設けることで、期限日以降については、売主の責任を免れることができるです。
ただし、期限日以降も重大な瑕疵が発覚した場合は、責任から逃れることはできませんが、ほとんどのケースはこの期限内で瑕疵責任を免れることができます。
マンション売却のトラブルのまとめ
いかがでしたか?本日はマンション売却の際のトラブルについてまとめました。本日紹介したよくあるトラブルと、防止策を事前にしっておけば、まずトラブルはおきません。
そしてトラブルのほとんどは、仲介する不動産業者が良ければトラブルは起きませんし、トラブルが起きたとしても、対応がしっかりしています。ですから業者選びは重要なのです。
誠実な不動産業者の探し方は、マンションの一括査定サービスが最良の方法です。なぜなら、不正を行った不動産業者は除名されるので、必然的にちゃんとした業者しか登録できないからです。