家族が増えたり、ライフスタイルが変わると、長く住んだマンションでは住み心地が悪くなり、新しいマンションに買い替えを検討する方もいると思います。その時思うのが、
「マンションを買い替えようかな~、でも面倒でお金もかかるから、このまま住もうかな~」
という点だと思います。マンションの買い替えと永住(リフォームしながら)を比べて、メリットとデメリットを整理しましたので、その上で買い替えるかどうかを検討しましょう。
本日は、マンションの売却について詳しく調べているマンション研究家の筆者が「マンションの買い替えについて解説いたします。
※マンション買い替えの費用がどれくらいなのか知りたい方は、こちらをご覧ください。 → マンション買い替え時の費用をざっくり教えます!【売却と購入】
マンション買い替えと永住(リフォームしながら)のメリット・デメリット比較
まずは、マンションを買い替えと、永住(リフォームしながら)のメリットとデメリットを比較したので、双方の概要を把握しましょう。
◆マンション買い替えと永住のメリット・デメリット比較
マンション買い替え | 永住(リフォームしながら) | |||
---|---|---|---|---|
費用 | × | 仲介手数料や引越しで 1回で200~500万円 譲渡損が発生するかも |
△ | リフォームは20年に 1度で50~200万円 譲渡損は発生しない |
手間・労力 | × | 引越しの労力がかかる | 〇 | 永住だから労力は かからない |
コミュニティ | × | 引越しの度に変わる | 〇 | 同じコミュニティで 長く過ごせる |
子供 | × | 地域が変わると 転校が必要 |
〇 | 同じ地域で成長できる |
広さ | 〇 | 常に最適な広さ | × | 子供が狭く感じることも |
老後 | 〇 | 老後に便利な地域や マンションに引っ越す |
× | 古い施設は老人に不便で 住む人も減る |
資産 | 〇 | 新しいマンション は資産価値がある |
× | 古いマンションは 資産価値がない |
買い替えによるメリットとは?
✔住宅の広さを家族構成によって住む場所をかえられる
✔いろんな場所に住むことができる
✔マンション相場によってマンション売却益(譲渡益)を生むことができる
✔マンションの設備が買い替えにより、古くならない。
リフォームに比べて、買い替えは住宅ローンを無理なく支払いすることができれば、メリットは大きいです。
家族構成やライフスタイルの変更にあわせて、住む場所をかえられますし、何より不動産は設備や建物が古くなりますので、買い替えのたびに新しくできるのは大変なメリットです!
リフォームして、マンションに永住するメリットとは?
✔マンション買い替えよりも少ない資金でリフォームできる
✔子供に引っ越しを経験させることなく、同じ地域で育てることができる
✔そのマンションの地域・コミュニティでずっと過ごせる
✔リフォームなので、買い替えより精神的負担が少ない
✔マンションを売却しないので、売却損(譲渡損失)が発生しない
やはり、その地域を愛しているということが前提になりますが、子供をその場所で、ずっと育てられるというメリットではないでしょうか?そういったことはお金には代えられない価値観があります。またリフォームをすれば、内装は新築同様にすることができます。
ただしマンションの共通設備は古くなりますし、マンションも40年もたつと建て替えが検討されます。
マンションの永住は、老後は大変です。高齢者にとって古いマンションは大変不便になりますし、空室が目立つようになるからです。最近テレビでも、年寄が大半で、空室も目立つマンションが取り上げられています。
マンションの永住に関しては、以前とりあげた記事にも書いておりますので、こちらもご覧ください。 → マンションの買い替えとリフォーム永住のどちらが良いか?
マンション買い替えと永住はどちらがいいの?
どちらがいいかは一概に言えません。何を大切に生きていくか?何を重視するかということに関係するからです。
マンション買い替えには費用や手間が多大にかかりますが、年齢や家族構成に最適な環境で住めるメリットがあります。特に老後を最適なマンションで過ごすメリットは大きいです。
またマンションは築30年を越すと、資産価値はほとんどありませんが、買い替えで、新しいマンションに引っ越せば、資産価値を残すことができます。
永住は広さが問題なければ、手間や負担がかかりませし、買い替えによる仲介手数料や引っ越し費用も発生しません。内装はリフォームをかければ新築のようになります。
ただしマンション自体が古くなると、設備が古いと年寄りには過ごしにくいですし、何より古いマンションは住民が少なくなり、賃貸の住民が増え、マンション管理も悪くなっていきます。修繕費も高騰します。
「買い替えとか、永住とか決めないで、マンションを買い替えたくなった時に、買い替えれば良いのでは?」
と思われると思いますが、築年数の古いマンションはなかなか売れませんし、高値で売れるわけもありません。ですから買い替えを決意したら比較的高く売れる築年数10年から15年程度で、検討するのが、費用や資産の面から最善と言えます。
マンションの買い替えに必要なのは、資金計画や、将来をどう過ごしたいか?という計画が必要なのです。
では、次にマンション買い替えを検討する方に向けて、「マンションの購入」と「自宅マンションの売却」のどちらを先行させるべきか?を解説いたします。
マンション買い替えは「①売却」と「②購入」のどちらを先行させるべきか?
マンションの買い替えが難しいポイントは、「自宅マンションの売却を先行させるのか?」あるいは「欲しいマンションの購入」を先行させるのかを検討しなくてはいけません。
それでは両方式のメリットとデメリットを解説してまいります。
①マンション売却が先のメリット・デメリット
①-1メリットは精神的に負担が少ないこと
✔先に売却しての購入なので、資金がはっきりしてからマンション購入可能
✔売却できなければ、買い替えを中止にできる
✔売却できなければ、自宅マンションに住む続ける事ができる
✔気軽にマンション買い替えにチャレンジできる
やはりマンションを先に売却するメリットは、売却価格を決定させてから、購入にすることができるので精神的に負担が少ないことです。
買い替えはマンションを「売る」と「買う」で精神的負担が2倍になりますから、売却が先の場合のメリットは、精神的な負担が少なく買い替えを行えることです。
売却金額が判明してから購入準備できるので、資金計画がたてやすい点は安心できますよね。また、迷いがでればマンションの買い替えを中止できるという理由も大きなメリットです。
①-2デメリットは仮住まい賃貸料や引っ越しの金銭的負担
✔マンション売却後、引き渡しまでに購入先を見つけれなければ、仮住まいを探さなくてはならない
✔仮住まいの場合、賃貸料が負担になる
✔賃貸料をもったいないと感じるため、ゆっくりマンション購入ができない
マンション売却を先行させる場合のデメリットはやはり、賃貸料が発生することによる費用と、ゆっくり欲しいマンションを探せないことです。
手順を踏んで大きな失敗を犯すリスクが少ない分、マンション売却後にすぐに気に入ったマンションを購入することができないと、賃貸料が発生することです。
また賃貸料が発生すると、「この家賃は本当は住宅ローンに使いたかった。。。」というネガティブな考えになるものです。
①-3マンション売却を先にするのが向いている方とは?
・買い替え用のマンションの購入資金がない方
・大きい住宅ローンが負担できない方(住宅ローンの2重払い)
・「売却」と「購入」を一度に行うことを精神的負担に感じる方
・大きなリスクをとりたくない方
買い替えにおいて、マンション売却を先行させるやり方は、安心して買い替えを行いたい方に向いています。
またマンション購入の資金がない方も、現在払っているローンを一度終わらせて、新たに住宅ローンを組むので非常に安心です。
購入するマンションに求める条件が少ない方は、購入するマンションも早く見つけることができるので、この方法は向いていると思います。
売却が先のメリットについては、こちらの記事でもまとめてあるので、ご覧ください → 【売却が先の場合】マンション買い替えの流れを解説
②マンション購入が先のメリット・デメリット
②-1メリットはこだわりのマンションをじっくり探せること
✔先に購入するマンションを探すため、じっくりマンションを探せる
✔購入するマンションに停止条件という契約条項をつければリスクが少ない
✔マンション売却後も、すでに住む家が購入済みのため仮住まいは必要ない
マンションを先に購入するメリットは、やはり自分のマンションをじっくり探す事ができることです。また購入が先のため、自宅マンションの売りが先のケースとは違い、仮住まいの用意が必要なく、資金に無駄が発生しません。
②-2デメリットは自宅マンションの売りを急ぐこと
✔売りを急ぐ場合は、値段交渉で価格を下げるケースが多い
✔停止条件をつけた場合は、設定した期限までに売却しなくてはならない。
✔購入したマンションと売却するマンションの二重の負担がかかる可能性がある
停止条件をつけての購入契約であれば、せっかく気に入ったマンションを見つけることができても、自宅マンションの買主を見つけることができないために、契約解除になっては意味がありません。
つまり、マンション購入資金に余裕がない限り、自宅マンションの売却を急がなければ、売却価格が下がったり、停止条件で予約した物件が買えなかったりすることです。さらに二重ローンすることになれば大変です。
購入後すぐに自宅マンションの売却先が見つける必要があります。
マンションを購入する時の契約に「自宅マンションが売れなければ、この売買契約を無効にする」という条項を加えることです。売主は嫌がることが多いので、この契約を受け入れるかどうかは売主次第です。
②-3マンション購入が先に向いている人とは?
✔資金に余裕がある方
✔あせらないで、こだわりのマンションを見つけたい方
✔住宅ローンが終わっている方
購入を先行させることのデメリットを踏まえた上で、こだわりのマンションを探したい人、あるいは、こだわりのマンションをみつけるために、売却するマンションの販売価格を下げる覚悟のある方に向いています。
しかし、購入が先という方式は元々は資金に余裕がある人、住宅ローンが終了している人向けの購入方法です。住宅ローンを組みながらの購入は、いろんな制限を覚悟しなくてはいけません。
購入が先のメリットについては、こちらの記事でもまとめてありますのでご覧ください → 【購入が先の場合】マンション買い替えの流れを解説
マンション買い替えの基本は「売却」が先
資金に余裕があれば、「購入」が先でもいいでしょうが、ほとんどの方が住宅ローンが終わっていないかと思います。無理をして「購入」を先行させると、購入後に自宅マンションが売却できず、値段を大幅に下げて、相場より数百万円も損することがあります。
ですから、買い替えは「売却」が先が基本です。
また「売却」を先行させるメリットとしては、「マンションが売れなかったら、買い替えをいつでも中止にできる」というのはとても大きなメリットです。
「購入」も「売却」も平行するやり方もあります!
つまりマンションの売却も購入も、相手(買主、売主)があって成立するものですから、計算できない部分があります。資金に余裕がある場合に限りますが、「買い」も「売り」を決めつけず両方並行するやり方をおすすめします。
売却と購入の不動産業者を別々にしてしまうと、連絡がたくさんきて、やりとりが面倒になりますから、同じ不動産業者にお願いするのがよいでしょう。不動産業者も売りと買いの仲介定数料が両手で発生しますから不動産屋のモチベーションも高いです。
ただし、同じ不動産業者を使う場合、地域の得意・不得意があります。売却と購入すべて同じ地域であれば問題ありませんが、違う地域だと、不動産業者が地域に不慣れでマンション売却がなかなか決まらないケースがありますので、そういった事も踏まえておきましょう。
住宅ローンの残債を払えなければ、買い替えローンもあります!
すでに説明したように、住宅ローンを完済しなければ、マンションを売却することはできないので、マンション売却金額でローン残債を支払えばければ、貯蓄をあてたり、親族からお金を工面するなどしなくては、マンション売却はできません。
しかし、買い替えローンというものがあります。

上記の図のように、新しくローンを組みなおし、新しいローンに「買い替えマンション価格」と「ローン残債」を含めて、前住宅ローンは完済し新しい買い替えローンに旧ローン残債も含める形のローンです。
買い替えローンを使う場合は、住宅ローンが増えますので、シミュレーションを行い無理のない返済が可能かどうか検討しましょう。
マンション買い替えローンについては、こちらの記事でくわしくまとめています。 → マンション買い替えローンとは前住宅ローンを含めて組むローン!
マンション買い替えの税制面でのメリットとは?
マンション買い替えは、以下の条件にあてはまる方には、以下のメリットが受けられます。
✔マンション売却で損(購入時より安く売却)をした方は、税金が発生しない
✔マンションの売却額が3000万円以下の方は、特例で税金が発生しない
✔売却したマンションに10年以上住んでいた方、税金が半額以下になる
✔マンションを高く売却しても、購入マンションの方が高いと、税金支払を先送り可能
住民税や所得税が免除になったり、給与所得の税金が確定申告で還付されます。
マンション売却の税金確定申告はこちらをご覧ください → マンション売却の税金・確定申告を4ステップで完全解説!
マンション買い替えのメリットとデメリットのまとめ
本日はマンションの買い替えについて、あらゆるケースのメリット・デメリットをまとめました。マンションの買い替えには資金計画や、将来をどう過ごしたいか?という計画が必要です。
そしてマンションの買い替えは、非常に面倒な手続きを踏まなくてはなりません。
買い替えする決心がついたら、契約を結ぶパートナー業者を探します。必ず数社からマンションの査定を受けましょう。複数業者を探すのは一括査定サービスが簡単ですよ。