マンション売却の研究のブログを書いているくらいですから、友人や会社の同僚、あるいは友達の知り合いなど、いろんな人からマンション売却の相談を受けます。
昨年の夏の話ですが、マンションが売れなくて困っている友人から相談を受けました。
「練馬の築36年の古いマンションなんだけど、全然売れなくて困ってるんだよ~」
詳しく話を聞いてみると、最寄りの駅までバス通勤で結構不便な場所にあります。すでに新しいマンションを購入済みで、売るマンションは空き家の状況で、現地に友人と言ってみると「うわ、結構キズとか痛みがはげしいね~」という感想でした。
本日はこの友人のマンションをプチリニューアルして、壁クロスの張り替え50万円の出費で、マンションを想定より高く売った体験記をマンション売却研究家の私が解説したします!
マンションのフローリングが傷だらけ
友人の相談を受け、さっそく友人とともに売りに出しているマンションを見にいきましたが、結構、内装が傷んでます。特にフローリングが重症です。
私「傷が多いね~!これじゃー買いたい人、なかなか見つからないよね~」
友人「絨毯ひかないで生活してたし、家具の引っ掻き傷が多くてね~」
私「内覧には、何人来たの?」
友人「6人くらい見てくれたけど、反応良くなくて、買いたいという人が現れないんだよ!」
すでに売りに出して半年が過ぎています。不動産業者から定期的に連絡は来ますが、あまり積極的ではありません。
私「いくらで売りに出してるの?」
友人「2480万円だよ。相場から見ると妥当な値付けだよ」
確かに、スマホで周辺の条件が近いマンションと比べても、高いということはありません。そこで、私が彼に提案したのが
私「リフォームしようか?」
友人「インターネットで調べたけど、300万とかかけて綺麗にリフォームしても、その300万って回収できないんでしょう?だからやらないよ!」
私「確かにその通り、でも50万円のプチリフォームなら回収できるよ!」
私が友人にすすめたのは、本格的なリフォームではなくて50万円を限度としてプチリフォームです。通常マンション売却の際のリフォームをすすめないのですが、ここまで傷だらけだと、事情は異なります。
でも、友人は50万円出すのも渋っている様子だったので、
私「じゃー来週、この辺のライバル物件を俺と一緒に下見に行こう!」
彼に現実を見せるために、この近辺のライバル物件を見に行くことにしました。
ライバル物件を見学して、リフォームを決意!
不動産業者に連絡し、翌週、練馬周辺のライバル物件を友人と一緒に見にいきました。3物件ほど、見終わった彼の感想は、
友人「間取りや築年数がだいたい同じなのに、うちより全然綺麗だわ~、」
私「マンション探してる人は、いろんな物件見てるんだから、比較するとお前の物件は検討からはずれるんだよ、だから値段を下げる方法もあるけど、お客さんだって馬鹿じゃない、ちゃんとリフォーム代を計算して、マンション探すから300万円値下げしたら買い手がつくよ」
現在の値付け:2480万円
価格を値下げ:2180万円(リフォーム代金を引く)
友人「いや~、新しいマンションも買っちゃったし、それはキツイよ」
私「安心してくれ!だから50万かけてプチリフォームして、2480万円で売りにだすんだよ!」
友人「そんな安い金額のリフォームで効果あるのか?」
私「お前、リフォーム相場も何も知らないだろう?」
ということで、リフォームする気にになった彼に、マンションリフォームの相場を教えてあげました。
マンションリフォームの相場は?
リフォームに賛成した友人も50万円でどの程度リフォームできるかが疑問の様子なので、かれにリフォームの相場を教えてあげました。
下記の表をご覧ください。
マンションのフローリングのリフォームの相場

今回メインとなる、フローリングの張り替えだけなら、実はそんなに高額ではないのです。友人のマンションの痛みが激しいのリビングと寝室。この2部屋だけなら20万円あれば十分。
マンションの壁クロスの張り替えの相場
壁クロスの張り替えは、実は気軽な金額で可能なんです!友人の家の壁クロスを全て張り替えても20万円で可能です。
マンションの水回りのリフォームの相場
金額が高くなってくるのは、水回り。キッチンやお風呂は両方やると100万円。だからトイレだけリフォームすれば10万円!友達と相談して、トイレもリフォームすることにしました。
友人マンションのプチリフォーム(50万円)の内訳
結局友人と相談した結果、下記3か所のリフォームを行うことにしました。
・フローリング(リビングと寝室)= 20万円
・壁クロスを全室張り替え = 20万円
・トイレ = 10万円
計 50万円
友人「でも、たった50万円で、ここまでリフォームってできるの?」
私「リフォームっていうと、みんなフルリフォームをイメージするから、300万円もかかるイメージでしょう?でも自分で判断して、必要な部分をリフォームするだけで効果的に安くリフォームできるんだよ!」
そして、友達は後日この金額をベースに2社から相見積もりをとって、税込みで54万円でリフォームを行いました。工期はたったの3日間。
リフォームしたマンションを見てびっくりした友人
友人からリフォーム終了後に、電話がかかってきました。
友人「新築みたくなったよ~!たった50万円で!」
その後、友人からスマホに写真が送られてきましたが、フローリングとクロスをリフォームしたので、印象が全く変わりました。
友人「これで2480万円でも買い手がつきそうだ!」
私「その前にやる事がある!不動産業者を変えよう!」
友人の話を聞いていたのですが、どうも不動産業者のやる気を感じられません。せっかくリフォームしたので、不動産業者をかえる事を提案しました。
友人「わかった、いい不動産業者知ってるの?」
私「地域に詳しい地場の不動産業者がいいよ、それと1社だけにお願いする必要はない、一括査定サービスを使って、2、3社に依頼しよう」
いい不動産業者なんて普通の人は知らないですよね。それは私も同じです。ですから3社から6社と会って、話した感じの自分との相性や、その人の経験や熱意で、業者を決めるのがベストなんです。
そして、多くのマンション売却者が不動産業者1社だけと付き合ってますが、「一般媒介契約」という契約を結べば、複数の業者に販売を依頼することができるのです。一般媒介契約については、下記の記事をご覧ください。
過去記事:一般媒介契約と専任媒介契約なら「一般」の方が高く売れる理由
マンション売却の不動産業者探し
友達は、私のアドバイスどおりに、仕事をお願いしている不動産業者に電話をしました。
友人「今月いっぱいで契約切れますが、更新しませんので」
不動産業者「お役に立てず申し訳ありませんでした」
マンション売却の際は、通常不動産業者と”専任媒介契約”という契約を結んでいます。この契約は三ヶ月毎に更新するのが国の法律で決められています。ですから、現在の不動産業者が気にくわない人も、契約を更新しなで、上記のようにはっきり伝えましょう。
友人「結構嫌がられると思ったけど、不動産業者もあっさりしてたよ」
私「リフォームしたこと伝えてないし、売れない物件と決めつけてたから執着してなかったんだよ」
後日、先ほど紹介した、「一括査定サービス」を使って、業者6社を呼びました。そして、それぞれに査定額をださせました。
A社 2700万円
B社 2500万円
C社 2500万円
D社 2400万円
E社 2700万円
F社 2550万円
なんと、1社を除いて、5社が現在の売り値の「2480万円」を超えました!これぞプチリフォーム効果!友人と相談して、結局やる気と経験のあった2社と「一般媒介契約」を結びました。
A社 2700万円
B社 2500万円
C社 2500万円 ==>一般媒介契約
D社 2400万円
E社 2700万円 ==>一般媒介契約
F社 2550万円
私はもう一社と契約するようすすめたのですが、友達が3社は大変だから嫌だ。と言ったので2社に販売を依頼しました。本当は一般媒介契約を結ぶ業者は多い方が、高く売れる可能性が増えるのですが、友人が嫌がったので諦めました。
販売価格はリフォームしたので、100万アップして2580万円で売りにだしました!
マンション販売から1ヶ月後、2500万円で売却!
C社からすぐに連絡がきて、水回りが綺麗なのが決めてになって!値引き交渉後、80万円引きの、2500万円で交渉成立!
なんとリフォーム後の初の内覧者に売却することになりました。
壁クロスとフローリングをほぼ張り替えたので、新築のような雰囲気でしたし、またトイレが新品というのが押しの決めてになったようです。
友達も、2400万円くらいのマンション売却を想定していたので、想定より100万円アップです!リフォーム代を抜けば、約50万円アップということになります!
最後にリフォームしてからのマンション売却について
今回のように、フローリングと壁クロス、それにトイレという低予算で効果的なリフォームが可能なんです。
お風呂やキッチンは古いままですが、やはりトイレが綺麗だと印象もぜんぜん違いますよね。でも、50万円のプチリフォームでは、お風呂までは無理です。(お風呂だけなら可能ですが)
リフォーム後のマンション売却は世間では、
「リフォームしてからのマンション売却は、リフォーム資金を回収ができないから止めたほうがいい」
「買主がリフォームを好きなようにしたいから、しないほうがいい」
という意見がほとんどで、私はそれを否定しません。でも売れない物件は、値段を大幅に下げるしか、売る方法がないと思われがちですが、今回のように「50万円を限度として、プチリフォーム」という選択肢もあることを覚えておいてくださいね!