「この古いタイプの風呂やトイレをリフォームしないと、マンションを売れないかしら?」
「内見者はいるけど、購入希望者がいない!リフォームした方がいいのかな?」
と、マンションや設備が古いとマンションを売却するためにリフォームしてしまおう!という考えが浮かびますよね?
フルリフォームを行えば100万~300万円はかかりますし、リフォームしても「早く売れて」も「マンションの売却金額に影響しない」可能性があります。そうすると数百万円は意味がないのでマンション売却前にリフォームするのはNGです。
でも、マンション売却前のリフォーム費用がどれくらいかかるかは知りたいですよね?
本日はマンション売却前のリフォーム費用を一覧で紹介し、かつ50万円だけかけて、マンションを売れやすくするコツを紹介いたします。
リフォーム費用の目安
まず、マンションのリフォームを行うと、どれくらいのリフォーム費用がかかるのでしょうか?
まずはざっくり下記のリフォーム費用の目安をご覧ください。
◆リフォーム費用の目安
①キッチンのリフォーム 50万円~160万円
②浴室のリフォーム 20万円~150万円
③フローリングの張り替え 20万円~80万円
④壁紙の張り替え 5万円~50万円
⑤トレイのリフォーム 15万円~40万円
フルリフォームの目安 110万円~480万円
フルリフォームの平均 300万円程度
ご覧のとおり、リフォーム費用は、キッチンや浴室のリフォームに多くの金額がかかります。そしてこのキッチンや浴室の水回りは、内見者がもっとも気にするところでもありますから、特に女性の内見者にアピールできるポイントです。マンションの内見は夫婦で訪れる際は、たいてい奥さんの方が決定権を握っていますから、キッチンはマンション売却での大きなアピールポイントです。
キッチンのリフォームの注意
キッチンのリフォーム 50万円~160万円
キッチンのリフォームの費用は、メーカーの在庫の古い製品を使ったり、グレードを低いものを使えば、安く抑えることもできますし、安いグレードのキッチンでも、今までのくたびれたキッチンと比べると、天地の違いがあるはずです。
リフォーム後のあなた「こんなに素敵なキッチンになったら、絶対にマンションを買いたい人が出てくる!」
と思っても、内見者が見ると
「リフォームしたみたいだけど、キッチンが小さいな・・・」
「対面型キッチンじゃないのか、どうせリフォームするなら自分でしたいな~」
と思われることがあるからです。つまりマンションを売却するあなたには、キッチンに対する理想があまりなく「値段」や「とりあえずリフォームで業者まかせ」といった感覚で、キッチンのリフォームを行いがちですが、これから住む方の「理想のキッチン」と考え方に大きなGAPがあるのです。

ですから、単にキッチンが新しくなっても、使いにくかったり、「新しいだけで普通」だったりすると、マンションの内見者の気を引くことはできません。
マンション売却前にフルリフォームはしないのが鉄則
先のキッチンの例でも、理解できたと思いますが、マンションの買う方の中古マンションの魅力の一つに「自分の望むようにリフォームをかけれる」という魅力があるのです。中古マンションの内見者の4人に1人は、リフォームするのを楽しみにしていますから、
「あーこのマンションはリフォームかかってるのかー、築年数が古くてもリフォームできる安いマンションを探してるから、この物件は対象外だなー」
ということになります。しかし、4人に3人は「リフォーム済み」という文言は、訴求力がありますし、結果として内見者の中から、購入希望者が手をあげるかもしれません。しかし、それはマンションの価格がその地域の相場の範囲内であるという条件に限られます。
例えば、あなたの築年数20年のマンションを1800万円で売り出していて、なかなか購入希望者を見つけることができなかったとします。そこに200万円の費用をかけて、フルリフォームをかけます。そしてリフォーム後に、2000万円で売りに出して、マンションが売れるでしょうか?
もちろんケースバイケースですが、私の経験からいくと売れないでしょう。なぜなら、その地域のマンションの相場より高く、そして築20年であるため、フルリフォームをかけても、相場の範囲内に収まってしまうのです。
つまりリマンション売却前にフルリフォームをかけると、2つのリスクを負うことになります。
リスク1:中古マンションを買って、自分でリフォームをしたい買い手を逃すリスク
リスク2:マンション売却価格にリフォーム代金を上乗せできずに売って損をするリスク
これらのことから、マンションを売却する時は、費用をかけてフルリフォームするメリットはありません。しかし、筆者はリフォームの全てを否定はしません。やはり売れないマンションを売るようにするにはリフォームは有効だからです。
ただしリフォーム費用の上限を50万円に設定するべきなのです。
マンション売却時のリフォーム費用は50万円を上限に行うのが正道
フルリフォームしても、リフォーム代金を回収できない可能性が高いエス。ですからリフォーム50万円程度を上限にリフォームをかけるましょう。
50万円が限度となると、キッチンや浴室のリフォームをあきらめます。その変わりに、比較的安くリフォームできるフローリングやクロス、そしてトイレをリフォームします。
◆マンションのフローリングのリフォーム費用相場

◆マンションの壁クロスのリフォーム費用相場
※準備中です
そして、フローリングや、クロスのリフォーム費用で、費用に余剰があるなら、トイレをリフォームしましょう。
◆トイレリフォーム費用
10万円~30万円
◆リフォームできないキッチンや浴室はパンフットをもらっておく
リフォームを依頼したら、リフォームしないキッチンや浴室のパンフレットや資料はもらっておきましょう。そして売却中のマンションのキッチンと浴室に、その資料を置いておきます。そうすることで、内見者に
「リフォームするとこうなるのか~!」
とイメージが湧きやすくなるからです。
リフォームをする前に!ライバル物件を確認する
50万円を上限にリフォームして、内見者の印象を良くしてマンション売却をするわけですが、その前に注意があります。それは同じ地域のライバルマンションをチェックすることです。スーモやHOMESなどのポータルサイトを使えば、すぐに確認できます。
同地域、同間取り、同築年数で駅からの利便性など、似たようなマンションを5つはピックアップしてみてください。もちろん同じようなマンションが出てこないこともありますが、その場合は隣の駅やエリアまで広げてください。つまりあなたがマンションの買い手の気持ちとなるのです。
売りたいマンションと近い条件のマンションが出てきたら、現在媒介契約している不動産業者にお願いして、内見を依頼しましょう。参考に見てみたいと言えば、断られないでしょう。
そしてライバルのマンションと比べて、どういった点が負けていて、勝っているのか?を把握します。そして負けている点があれば、その点に力を入れてリフォームをかけましょう。
マンションを売る場合のリフォームの注意は「自分の目線にならずに、買い手の目線になることです」
ですから、自分目線でリフォームをするのではなく、買い手の目線を養うためにも、ライバルマンションの内見を申し込みましょう。
マンション売却時のリフォーム費用を最低限に行うまとめ
マンションが古くて売れないからといって、フルリフォームはおススメできません。費用を50万円程度に決めて、フローリングやクロスなど、効果的なリフォームを行いましょう。
そしてリフォームする前には、せめてポータルサイト上だけでも、同築年数、同間取りのライバルのマンションをチェックして、買手の気持ちになってリフォーム箇所を決めましょう。
そして、大事なのは仲介する不動産業者です。
これから契約する方も、すでに契約している方も、マンションが早く売れない一番の原因は、不動産業者にあることがほとんどです。なぜなら不動産業者が本気を出せば、売れない物件などないからです。業者探しは、マンションの一括査定サービスを使うとマンションを高く売れる可能性を増やすことができる方法ですから、一括査定業者で、2社~3社の不動産業者を選んでみましょう。