マンションの売却価格はどのように決まるのでしょうか?
まずは売値を設定して、買手が決まり、値引き交渉の結果、マンションの売却が決定します。しかし売値が市場の価格とかけ離れていたのでは、そもそも売値として成立しません。
ですから、マンションの売却時には、業者に依頼しマンションの査定を行います。この査定結果に基づいて、中古マンションの価格が決定するのです。そしてマンションを高く売るコツは、早く売ることです。なぜなら時間が経つほどマンションの売却価格は下落するからです。
ですから、マンションを高く売るには、早く売る手法を使えばいいのです。それでは本日はマンションの売却価格の仕組みと、マンションを高い価格で売る方法をマンション売却研究家の私が解説いたします。
マンション価格を決めるための査定方法は3種類
◆3つの査定方法
①取引事例比較法 <-- ほとんどこれ!
対象のマンションと近い条件のマンション取引事例と比較して現在の不動産市場などを踏まえてマンションの査定額を出す方法。ほとんどの不動産業者が使う査定法です。
②原価法 <-- 建築年数による資産価値低下を算出する方法
建物の資産価値の正確にだすだめの査定方法です。
③収益還元法 <-- 投資用マンションに使われます!
不動産が生み出す利益と現在の価値を総合的に踏まえて価格を出す査定方法です。投資用マンションに使われる方法で、投資用でなければ使用されません。
マンション売却価格は業者の査定結果が基準に
まずマンションを売却するときは、不動産業者に仲介を依頼します。不動産業者と仲介契約を結ぶ前に不動産業者は、マンションの査定を行います。
この時の査定金額をもとに「業者選定」を行い、「マンション売却価格」の基準になるので、決して1社だけでなく複数社の不動産業者に依頼するようにしましょう。
不動産業者をどうやってみつけるか?
一括査定サービスを使います。高額なマンション売買において、一括査定サービスを使って、複数の業者から査定をもらうのが常識になっています。
一括査定サービスで2社~6社の不動産業者に査定を依頼します。査定方法は以下の2種類です。
①机上査定(きじょうさてい)
この査定方法は、不動産業者がマンションに来ることなく、地区の近い条件のマンションや周辺地区のマンション売却事例や過去のマンション売買事例をもとに査定する方法です。
◆机上査定の特徴
・電話だけで済むので、業者がマンションに来ない
・査定方法は、周辺地区のマンション売却相場や売却実績に基づく
・査定にかかる時間も30分から1時間程度
・物件を見ないため正確な査定にはならない
◆机上査定に必要な情報(不動産業者に伝える情報)
・住所
・マンションの間取り
・築年数
・売却予定日
机上査定は、実際に業者が来ないので、すぐにマンションの査定額がわかるので非常に手軽です。ただし正確な査定価格は、机上査定ではわかりません。
◆机上査定で業者を選ぶポイント
机上査定では、査定額も重要ですが、やる気のない業者やいい加減な業者を選別することも重要ですから、以下のポイントをおさえておきましょう。
✔あまりに安い業者と高い業者には、その理由を聞き理由に根拠や情熱を感じない業者
✔レスポンスが遅い業者
✔電話対応が良くない業者
訪問査定
訪問査定とは、不動産業者の営業マンがマンションに訪れて、物件の現況や眺望、周辺環境を実際に確認した上で、査定する方法です。机上査定よりも正確な査定額が出てきます。
◆訪問査定の特徴
・営業マンがマンションに来て、立地条件、間取り、日当たり、建物の痛み具合、設備を調査
・机上査定より正確だが査定結果が出るまでに数日かかる
・役所調査が別途行われ、権利関係のチェックを行う
◆訪問査定に必要な情報
・マンションの権利料
・マンションの図面
・登記謄本
このように、不動産業者が実際にマンションを訪れて、査定を行います。訪問査定自体は1時間程度で終わりますが、査定結果には、役所調査もあり、2日~4日間くらいの日数がかかります。
◆訪問査定で業者を選ぶポイント
訪問査定では、実際に担当者と会うのですから、自分との相性も重要です。また上から目線の担当者や、服装が乱れている業者なども要注意です。なぜならマンション売却は三ヵ月から最長1年に及ぶこともあり、ストレスがたまる担当者では良いマンション売買はできません。
以下のポイントを確認しましょう。
✔あまりに安い業者と高い業者には、その理由を聞き理由に根拠や情熱を感じない業者
✔服装が汚くないか?
✔言葉遣いは丁寧か?
✔説明に根拠はあるか?経験を感じるか?
机上査定と訪問査定のどちらがいいのか?
査定額の正確さ、業者の相性を会って確認できるため、訪問査定をおこなうべきだと私は考えます。業者選びは非常に重要ですから、一括査定サービスでは6社選んで査定を行いますが、全ての業者に机上査定を行わせるのは、疲れます。
ですから、机上査定は6社程度の不動産業者に査定を行わせて、その中で納得の行く業者3社程度を次に訪問査定させて、業者を絞り込むのが、最も効率がよく良い営業担当者を見極められます。以下の流れで業者を選びます。
①一括査定サービスで不動産業者を6社選ぶ
②机上査定で6社から2~3社程度に絞り込む
③絞り込んだ業者で訪問査定を行う
④2社から3社と一般媒介契約(複数の会社と結べる仲介契約)を結ぶ
マンションを高く売るには?
マンションの価格は査定額を踏まえて決定することを説明しましたが、では、高くマンションを売るためにはどうすればいいでしょうか?マンションを高く売るためには、早く売る事です。その根拠は以下のグラフをご覧ください。
◆販売期間ごとにマンション販売価格

引用記事:売却期間別 中古マンションの価格かい離率(三大都市圏)
このグラフをみてもらうとわかるとおり、マンションは販売してから期間がたてばたつほど、販売価格が下落していことはデータからわかっています。この下落率を3,000万円のマンションに適用した場合、最大で600万円も価格が変わってきます。
マンションの売却期間についてはこちらの記事をご覧ください → (マンションの売却期間は平均は約3ヵ月|早く売るコツは?)
ですから、マンションを高く売るにはマンションを早く売ってしまうことなのです。ではマンションを早く売る方法を解説いたします。
マンションを早く売る3つの方法
マンションを早く売る方法は、一言で言うと、「買手にあなたのマンションの売却に気づいてもらう確率を増やす」ということです。その方法を解説してまいります。
①一括査定サービスで複数の不動産業者を探す
すでに説明しましたが、一括査定サービスで複数の不動産業者を探すことが、早く売る方法になります。なぜなら、不動産業者との契約は1社よりも、複数社と同時に契約した方が、露出が高くなるからです。
②不動産業者とは一般媒介契約を結ぶ
不動産業者は、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ばせようとしてきます。これらの契約はカンタンに説明すると、三ヶ月間はその不動産業者1社としか結べない契約です。不動産業者は顧客の囲い込みができて、他社に顧客がとられないので、一番喜びます。
しかし、顧客にとってはメリットはほとんどありません。不動産業者は「チラシ広告を打ちます」「ポータルページに登録します」などといいますが、一般媒介契約でも、あなたのマンションが売れると見込めば広告に気合をいれます。
それよりも、複数の不動産業者に依頼すること自体、1社よりも、買手の目に触れる可能性が高くなります。ですから不動産業者とは一般媒介契約を結びましょう。
媒介契約については詳しくはこちらの記事をご覧ください。→ 一般媒介契約と専任媒介契約なら「一般」の方が高く売れる理由
③見学会はオープンルーム(オープンハウス)形式で行う
マンションの買手は、近所に住んでいる可能性が高いのです。ですから一番集客力の高い、オープンルーム方式で行います。
オープンルーム形式であれば、チラシが近所に一斉にまかれて、しかも予約不要の手軽さですから、開催日の休日に多くの人が訪れます。予約不要ですから、不動産業者が用意する、ノボリや看板をみて、「お、売りに出してるのか?のぞいてみようかな?」と潜在顧客にまで、あなたのマンションが知渡るのです。
ただし、仲介業者はオープンルームは手間とコストがかかるので、やりたがらないですから、業者と交渉する必要があります。また空室が絶対条件です。
オープンルーム(オープンハウス)についてはこちらをご覧ください → マンション売却時のオープンルームを解説
マンション売却の価格のまとめ
本日はマンションの売却価格の決まり方と、マンションを高く売る方法を解説しました。これからマンションを売却するという方は、まずは不動産業者選びからスタートします。複数の業者を、あなたの地域から無料で選べる一括査定サービスを使って、選んでくださいね。