例えば2980万円で、マンションを販売すると「2900万円で買いたい!」あるいは「2800万円買いたい!」という買取価格が購入希望者からでてきます。つまり価格の端数を値引き交渉で値引きするパターンが一般的です。
売主もせっかく現れたマンション購入希望者ですから「それくらいなら値引いた方がいいよな~」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。マンションは大きい金額の取引ですから80万円が小さく見えますが、日常生活で80万円は大きな金額です。
端数切りが一般的でも、安易に買主の値引きに応じる必要はありません。
値引きをするべきか?しないべきかは、実はマンション売却開始時期からの日数で決まってきます。本日はマンション売却の研究家の筆者が、上手いマンション売却の交渉術を解説いたします。
買主は値下げ交渉を必ずしてくるものと考える!
もしあなたが、売主ではなく、買主であれば絶対に値引き交渉しますよね?ですから値引き交渉は必ず行われるものだと思ってマンション価格を設定しましょう。ではどのよう値引き交渉が一般的なのでしょうか?それは端数切りです。
◆マンションの販売価格が2,980万円の場合によくある端数切りの値引き
・パターン① 2,900万円 → 80万円の値引き
・パターン② 2,800万円 → 180万円の値引き
端数切りは、日本中の値引き交渉で8割以上行われている値引き手法ですから、これに対抗するための買主側の価格設定がありますので、次に紹介いたします。(あまりおススメはできません!)
◆端数切りできないように、端数なしの価格設定を行う
→ マンションの売却設定を2,980万円ではなく、3,000万円に価格設定をする。
この方法だと買主側は、端数切りできないため値引き交渉しずらくなりますが、この価格設定には、大きなデメリットがあります。それは2,980万円と3,000万円では、価格の印象が異なることです。
例えば、スーパーである同じ商品が99円と100円で売られているのでは、価格の印象がずいぶんことなります。99円の商品は買うかもしれませんが、100円の商品は買わないかもしれません。これは不動産にも同じことが言えます。
ですから端数切りの値引き交渉がされないかわりに、マンション購入希望者がなかなか出てこない可能性があり、本末転倒です。
◆端数切りされる前提の価格設定を行う
→ マンションの売却設定を2,980万円ではなく、3,180万円に価格設定をする。
この価格設定は3,000万円で売るための価格設定です。この値段を見れば購入希望者も「3,000万円まで値切れるな!」って魂胆はバレてしまいますが、特に問題はありません。
ただし、この価格設定も値段が高いので、購入希望者が現れる可能性が少なりますので、筆者としては、2980万円で値引き無しの方がいいと思います。
◆値引き交渉のコツは、マンション売却開始日からの経過日数毎に変えていく
次に説明しますが、マンションの値引き交渉は、マンション売却開始日からの経過日数によって、値引き可能額を変更していくやり方です。では紹介いたします。
マンション売主の上手な値下げ交渉のやり方
マンション売買の基本は早く売ることです。なぜなら早く売った方が高く売れることが下記のデータからも証明されています。縦軸がマンション価格の下落率、横軸が時間です。

引用記事:売却期間別 中古マンションの価格かい離率(三大都市圏)
つまり、マンション売却期間の時間がたてばたつほど、マンションの販売価格が下落するのです。ですからこのことを念頭に踏まえて、マンション売却期間によって下記のように値引き交渉に応じていくのがベストです。
マンション売却開始から2週間以内
マンション売却開始から2週間以内に購入希望者が出てきた場合は、相手が値引き交渉を行ってきた場合は、値引き交渉に応じなくてもよいです。なぜなら2週間以内に買い手がつく場合は、このマンションが設定した販売価格で売れる可能性が高いからです。
※マンション販売価格が2980万円の設定です。
マンション売却2週間以内は、値引き交渉に応じなくてもよいでしょう。なぜなら他にも購入希望者が現れる可能性が高く、また値下げをお願いした人が、値下げを手ってかいする可能性があるからです。
マンション売却開始から3カ月以内(2週間以上)
マンション売却開始から3か月以内の場合は、ある程度の値下げに応じます。購入希望者は、端数切りで値引きを行ってきますから、相手の値引き額を完全に受け入れるのではなく、妥協できる価格を探っていきます。
その際も、”生活がギリギリ”ということを伝えるだけで相手の印象も変わってきます。
※マンション販売価格が2980万円の設定です。
※交渉するのは不動産業者を通してですので、直接あなたが購入希望者と下記のようなやり取りすることはありません。しかし不動産業者にどのように伝えるか指示できるので、必ず言葉を選んで、それを不動産業者を通じて説明してもらいましょう。
自分で価格を言うのではなくて、相手に言わせるのがポイントです。しかも上記のように”生活が苦しい”というニュアンスを混ぜれば、相手も値引きをしずらくなりますし、「値引きしないで買ってあげれば楽になるのかな?」と思わせることができるからです。
マンション売却開始から半年以内(3カ月以上)
マンション販売から半年もたつと、ある程度の値引きは覚悟する必要があります。値引き額としては100万円~200万円の価格値下げを応じなくては、マンションが売れない可能性もあります。ですから、絶対に値下げできないラインを設定しておきましょう。
※マンション販売価格が2980万円の設定です。
マンション売却開始から半年以上たった場合
※マンション販売価格が2980万円の設定です。
マンション販売から半年たっても売れない場合は、そもそも価格が相場よりも高い可能性があります。しかしそんな中でも購入希望者が現れた場合は、300万円程度の値下げに応じたほうがよいでしょう。
半年以上たって、やっと現れた購入機能者ですから、この人で勝負を決めたいところですが、500万円を超えるような値引きに対しては、慎重に考えるべきでしょう。
半年も売れないと、「500万円値引いてもいいかな。。。」という考えになりがちだからです。むしろ必要なのは値引き交渉よりも不動産業者の変更の方がいいかもしれません。
また、半年も売れない場合は、一旦立ち止まって不動産業者が能力も疑ってみてもいいでしょう。あるいはそもそもの価格が相場より高すぎた可能性があります。
いずれにせよ、不動産業者の変更を考えてもいいかもしれません。
売主がマンション売却を急いでいる時は?
マンション売却の値引き交渉の上手な進め方について解説していきましたが、売主がマンション売却を急いでいる場合は買主の値引き交渉に応じて、値引きをした方がいいのでしょうか?
一概には言えませんが、せめて値引き金額を半額にしてもらう交渉くらい行いましょう。
※マンション販売価格が2980万円の設定です。
急いでいるときこそ、冷静になって値引き交渉を行います。逆に焦ると相手にリードされてしまいますから、内覧会でも急いで売りたい気配は出さず、余裕をもった態度がコツです。
購入希望者が2人現れた場合の値引き交渉は?
※マンション販売価格が2980万円の設定です。
例えば、二人の購入希望者が現れて、
Aさん「2900万円で購入したいです!」
Bさん「2800万円はいかがでしょうか?」
といった場合は、売主「Aさんに決まりだな!」と思われるかもしれませんが、実は購入希望者が複数でたときこそ、値引き交渉を売主が有利にできる可能性が高いのです。
このように、値引き交渉ではなく、値上げ交渉になるのです。ただあまり欲をだすと購入希望者が二人とも離れてしまいますので、当初の販売価格から逸脱しないようにしましょう。
1,000万円以上のあり得ない金額の値引きには?
※マンション販売価格が2,980万円の設定です。
ごくまれにですが、「1,800万円でお願いします」という、1,000万円以上の値引きを言ってくる買主もいるようです。
こういった場合は、最初からお断りしましょう。他のマンション売却ブログには、「まずはなんでそんな値引きをするのか根拠を探りましょう」と書いていますが、こんな人に付き合うだけ、売主のあなたが疲れてしまうのは間違いありません。
すぐに断りましょう。もし、先方が販売希望価格に値段を近付けても、足元を見てくるような人には極力売らない方がいいでしょう。なぜなら、マンション売却後にも瑕疵担保責任というものが付きまといます。売って後でも見えない欠陥の責任はあなたについてきます。
信用できない人にマンションを売却すると、あとあとも何かあってはかないません。このような人とかかわりを持つのもやめましょう。
マンション売却の値引き交渉のまとめ
いかがでしたか?本日はマンション売却時の値引き交渉の上手なやり方について解説いたしました。ほとんどの値引き交渉の仕方が、端数切りですから、事前に対応することができます。
また値引き交渉の売主の立場は、マンション売却期間と関係がありますから、売却開始後の経過期間によって、値引き交渉のスタイルを変えていきましょう。
ただ、もし半年もマンションの購入希望者が現れない場合は、値引き交渉の前に不動産業者に疑問があります。もう一度不動産業者を探してみてはいかがでしょうか?
マンションを高く売るための不動産業者探しは、一括査定サービスが一番です!