住んでいるマンションも子供が増えたり、家族構成が変わって住みにくくなり、マンション買い替えを検討するとき、一番の不安が住宅ローンはどうなってしまうのか?あるいは新しいマンションのローンは組めるのか?という点だと思います。
マンションの買い替えは、今のマンションの住宅ローンを完済しないと、新しいローンは組めません。ですから、マンションの売却金額でローンを支払う必要があります。しかしマンションも値下がりしますから、売却金額で完済できない場合はどうすればよいのでしょうか?
残債分を「貯金で返済する」か「買い替えローンを組む」しかありません。
本日はマンション買い替え経験者の私が、マンション買い替えのローンをどうすれば良いのか?例をつけて解説いたします。
買い替えするには今の住宅ローンを完済すること!
マンション買い替えで、一番苦労するのが住宅ローンです。
住宅ローンの返済中であれば、勝手にマンションを売却することができません。なぜなら、今のマンションにはお金を借りた金融機関から抵当権を設定されているからです。
この抵当権を外すには、住宅ローンを完済させなくてはいけません。マンション買い替えにおいて、住宅ローンの完済は、マンションの売却金額で返済するのが一般的ですので、次に具体的な例で、住宅ローン残債の完済方法を紹介いたします。
マンション売却して住宅ローンの残債を完済する
それでは、マンションの売却金額によって住宅ローンを完済するためには3つのケースがあります。ひとつずつ解説いたします。
ケース1 マンション売却金額と住宅ローン残高が同じ

マンションの売却金額でローン残債を完済します。これにより抵当権が削除され、マンションを売却して、次のマンションの購入にうつることができます。
ケース2 マンション売却金額の方が、住宅ローン残高より多い

住宅ローンを完済するだけではなく、100万円の余剰を生むことができたので、100万円をマンション買い替えの頭金にすることができます。
ケース3 マンション売却金額が、住宅ローンを下回る

マンション売却金額では、住宅ローンを完済できないケースです。足りない100万円は貯金を使って、ローンを完済させます。
ケース1~3までマンション売却金額と貯金を使って、住宅ローンを完済する方法を解説しましたが、次のケースではマンション売却金額で、住宅ローンを完済できません。
ケース4 売却金額が安くて、住宅ローンを完済できない!

このようなケースには、住宅ローンをどうすればいいのでしょうか?マンションの買い替えをあきらめるしかないのでしょうか?
このようなケースは、マンションの買い替え(住み替え)ローンを検討します。
買い替え・住み替えローンとは?

買い替えローンとは、新しい住居に住み替えを計画していて、現在の自宅の住宅ローンの支払いが残っている場合。現在のローンをと新居の住宅のローンをまとめて、1つの住宅ローンとして支払える住宅ローンです。自宅の売却額で、住宅ローンを完済できない場合に利用される住宅ローンです。全国の銀行で提供している住宅ローンです。
通常、住宅ローンの抵当権は、完済しないとはずすことはできませんので、マンション売却額が、ローン残高を下回る場合に利用されますが、借入額が大きくなるので返済できるか、しっかり計画する必要があります。
それでは買い替えローンの注意点を解説しましょう!
買い替えローンの注意点は?
借入額が大きくなって、返済が大変!
例えば、新しく購入するマンションの価格が3000万円で、売却金額から住宅ローンを差し引いた額が500万円であった場合、借り替えローンを利用すると、「3000万円 + 500万円 + 金利」になります。本当に支払い続けることができるのか?今のままの年収が続くかどうか?など返済計画をしっかりたてなくてはいけません!
もし、住み替えローンを借りることで、あまりにも大変になるようでしたら、今のマンションに住み続けることや、購入するマンションがもう少し安いところを検討したほうがいいでしょう!たった一度の人生なんですから!
借りる人の多くは30代後半から40代!
現在のマンションのローン借りたのが20代からでしたら、借り換えによる住宅ローンも同じように考えてはいけませんよ!30年や35年ローンを組むのは、あとあと大変なことになります。返済期間を短くできるような返済計画をたてる必要があります。子供がいる方は、大学入学の負担もかかってきますから!
買い替えローンの金利の仕組み
通常の住宅ローンと同じ仕組みで、変動金利、固定金利、全期間固定金利の3つの方式からえらべます。2016年5月現在は超低金利といわれています。インターネットの情報を見ると「新生銀行の変動金利が一番お得です!」という情報が並んでいますが、変動金利は将来の金利上昇リスクがあるので、ローンが20年、30年ある場合はリスクが高くなります。
通常、長期に高額のローンを組む場合は、固定金利と変動金利を組み合わせてリスクヘッジします。
買い替えローンで金利が安くなる?
数年前に、現在の住宅ローンを組まれた方は、2016年10月の今現在の方が金利が安いですから、残債分のローンの金利が安くなる場合がありますので、金利は得します。
買い替えローンの審査は?
当然、普通の住宅のローンより審査基準は厳しくなります。以下の状況を吟味して銀行が審査を行います。
①現在のローンの残債額
②現在の家の市場価格
③新しく購入する物件価格
④年齢、勤続年数、収入等
⑤過去の借り入れの返済履歴
審査は単に、可否だけではなく、借り入れ金額の減額や保証人の追加などの条件付きを提示されるかもしれません。また審査が落ちた時も、次のアクションをとって条件を変えてみましょう。
①借り入れ金額の減額を検討する。
②他の金融機関を検討する。
③現在の住宅のローンをなんとか完済させる。(完済できたら買い替えローンではなくなりますが!)
「私はローン残債が多いから、買い替えローンを組むのは難しそうだ。。。」とは思わず、まずは不動産業者と相談してみるとよいでしょう。
マンションの買い替えは、非常に難易度の高いマンション購入方法です。マンションの買い替えには「売りが先」のパターンと「買いが先」のパターンがありますので、自分がどちらの方式があっているのか、見極めましょう。では解説いたします。
マンションの買い替えの場合は、「売りが先か?」「買いが先か?」
売りが先の場合は簡単!
売りが先の場合のメリットは、まずは自宅マンションが売れてから、マンション購入に移るので「落ち着いて」マンション買い替えができるメリットがありますが、デメリットは購入するマンションが見つからなければ、仮住まいの賃貸料金や、引っ越し費用がかかります。
仮住まいについては、こちらの記事をご覧ください → マンション買い替えの仮住まいを解説
買いが先の場合は、マンション購入契約に買い替え特約(停止条件)をつけます。
停止条件とは、マンション購入の際、期間を設定し「自宅マンションの売却が成立しなければ、購入契約を破棄できる」契約です。この条件をそもそも、マンションの売主が受け入れるか?という点もポイントになってきます。
買いが先の場合のメリットは、購入が先であるため買う物件がないと、ローンも組まないため「リスク」が少なくなります。
デメリットは、購入するマンションの契約に「停止条件」をつけますので、自宅マンションが売却されない場合は、契約を無効になってしまいますのであわてて、自宅マンションの売却をする必要があるため、マンションを安く販売してしまうケースがあることです。
逆に安くしないと、停止条件には期限がありますから、期限がすぎると購入契約そのものが破棄しなくてはいけないからです。
ただし、マンション買い替え特約(停止条件)を買主は嫌がりますので、受けてくれるケースは少なく、売れ筋マンションを購入する場合は、買主もこの特約を認めてくれるかもしれません。
買い替え特約については、こちらの記事をご覧ください → マンション買い替え特約(停止条件付き)でマンションを買う!
買い替えローンを組んだら、確定申告で控除申請
買い替えローンをする方は、控除という形で国も支援をしております。マンション購入時より、マンション売却価格が下回り、損をした方は、以下の控除が使えます。
・損失分(マンション購入金額 - マンション売却価格)で、給与所得から引かれている「所得税」「住民税」を取り返す!
詳しくは下記のマンション買い替えの控除をみてください!
マンションの買い替えのローンについてまとめ
本日は、マンション買い替えのローンについて、あらゆるケースを解説しました。どのケースいしても、マンション買い替えを少しでも楽にするには、売却するマンションを高く売る事です。
まずは一括査定サービスを利用して、複数社に査定額を出させてみてください!複数社から査定をもらえば、マンション売却額がはっきりして、買い替えローンの返済計画も立てやすくなったり、購入するマンションの予算が計算できるようになりますよ!